東京都立産業技術研究所での研修会

講習会風景



講習会の模様です。-------->


私が東京ニット卸商業組合の理事長に就任して以降、業界の発展のため、今後の進むべき方向のためには『人材育成』が大きな課題だと考えました。では、どのようにすればニットについての基礎知識を身に付けることができるのかを常に考え、その一環として「東京都立産業技術研究所」での研修会を実施してきました。
東京都立産業技術研究所は京王八王子の駅前に敷地面積10,079平米、床面積5,224平米という広大なスペースを持ち・管理棟(事務室、管理室)・研究棟(編機(ホールガーメント、コンピューター機、手動機)リンキング機、織物機)・染色工場(プリント、手捺染、最新型マッキントッシュ)・試験場・応用工場等々を有しており、丸編、ヨコ編、タテ編等ありとあらゆる生産の工程を一望に見ることができます。今日の日本において、最も充実した設備が整っている場所での研修会となっています。

講習会内容

  1. 編機、編成原理
  2. ニット製品の種類と製造法
  3. ニット工場で丸編機、ヨコ編機、タテ編機の解説

見学会内容

  1. デザイン、企画等の関連分野
  2. 製造関連分野(染色工程、撚糸工程、織物、不織布)
  3. 評価技術分野(堅牢度試験、物性試験)

今年は上記の内容で8月24日に東京ニット卸商業組合主催により実施致しました。東京都立産業技術研究所様側としては、約50名程の受講者が理想的であるとのことでしたが、この研修会では76名という多数の受講者で実施致しました。その他、業界から5社の会社単位での申し込みがありましたがこちらは今回お断りさせて頂きました。しかし、改めて業界の関心の高まりを感じました。今現在、中国が世界の生産工場に定着して以降、日本のニット業界もかつての勢いをなくしてきていました。しかし、ここにきて中国での人民元切り上げ、技術面での問題が浮き彫りになり、再び日本へと生産の拠点をうつしてきている動きがわずかながら出てきている様です。
ニットは丸編、ヨコ編、タテ編からなり、一本の糸から編み立てていきます。その上で、素材、編み方、経験、勘が非常に重要になります。
実際に現在の日本では工場が少なくなり生産の工程等を学ぶ機会が少なくなっています。しかし、この「東京都立産業技術研究所」では、あらゆる工程が一日にして学ぶことができるため、とても有意義な研修会であると業界からの評価も高く、好評を頂いております。
アパレル業界に関わる営業、企画、商品管理の皆様におかれましては早い機会にニットに対しての基礎知識を身につけ、生産の仕組みや物作りを理解して頂くことで今後の業務に生かしていけるのではないでしょうか。小売業界では、百貨店、専門店、GMSなど日頃、最前線でお客様に接している皆様にもこの東京都立産業技術研究所の研修会に参加頂ければセールストークに広がりを持つことができると思います。
以上のことからも皆々様に積極的に参加して頂き我々と一緒になって良い物作りやこれからの業界発展のために進んで行きましょう。

   東京ニット卸商業組合理事長
   日本中央ニット卸商業組合理事長
             八木原 保