第15回「パリ紀行」

ピコレさんとパレ・ロワイヤルで

ピコレさんとは30年来の友人であり、また、ビジネスパートナーとしても、長い間、信頼と友情を築き上げ今日を向かえております。彼女は、フランスに40年近く住んでおり、日本の伝統と文化を基本にしながらも、実生活はフランス人そのものです。世界中のファッション業界に多くの友人を持ち、彼女の情報力の深さと行動力には目を見張るものがあります。常に時代の最先端に身を置き、新しい出来事に対しての素晴らしい嗅覚も持っています。彼女の持論は「鼻が効かなくなったら業界から身を去った方が良い」ということです。私も同感です。ピコレさんとは、年5回から6回、日本とパリでお会いする機会があります。今回も10月7日、8日、9日とパリにおりお会いしました。この写真はパレ・ロワイヤルの中庭で撮った写真です。ルーブル宮の北、パレ・ロワイヤルは17世紀、枢機卿シェリューが住んだ館(ルイ13世時代)として知られ、その後、王宮(パレ・ロワイヤル)になりました。時を経て、現在のパレ・ロワイヤルは回廊にブティックやギャラリーが並び、マーク・ジェイコブスのパリ第1号店もオープン予定です。南寄りの中庭に設置されたストライプの円柱はダニエル・ビュレン作の物です。歴史と現代アートが共存し、「新旧対比」として、パリの1つのシンボル的要素を示しています。四季、美しい花と静かな空間は、パリジェン達の癒しの場となっています。
また、ルーブル美術館の入り口には「ピラミッド」が未来へのシンボルとして建造されているのを皆さんご存知でしょうか。もともと王宮であったところを1793年以来国立美術館として利用している歴史の古い美術館です。その伝統や文化などの歴史的なものと未来を象徴するピラミッドとの「超融合」も素晴らしい表現だと思います。パレ・ロワイヤルとルーブル美術館に見られる様に、歴史と現代、未来を融合させた姿は、今後のパリの姿そのものだと思います。
新しいものを作ったら古いものを「壊す」のではなく、古い歴史を蘇らせると同時に未来に向かって邁進し続ける姿勢こそがパリの魅力であると思います。私共、株式会社ジムも、伝統のある技術と開発力は勿論重要なことですが、これからは、新しいテクノロジーやクリエーションを常に取り入れ、伝統と未来を組み合わせることで今後もニット業界のリーディングカンパニーとして時代を先取りし続けていきたいと思います。